そらぃむの感想を書くブログ

小説から学ぶ妄想のすゝめ、など。

感想『東天紅』を読んでの

題:東天紅 ~最強女戦士に一目惚れしたら伝説の剣士とアサシンと悪魔が人の恋路を邪魔しに来ました
作者:こたつみかん
注意書:この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。 

 予想を裏切られる展開が面白い作品です。

 他とは違う作風であり、読んでいくうちに先入観というものを実感させられます

 

 と同時に、物語をつくる出来事を楽しみつつ、キャラクターの個性を楽しみつつ、それらのキャラクターがどんなふうに関わり合っていくのかを楽しめる作品です。
 書き手の魅力に溢れた作品だと思います。

 大手を振って評価できる良さがあると感じました、読んでいて楽しかったです。

 

 一文は短く、描写も少なめに、できるだけ会話を重視した作品です。
 頭の中で物語が動いているようでリアリティが増しています。その上に予想を裏切る展開が乗っかりますので、印象に深く根付く一作品となるでしょう。

 

 物語を読み込めた人だけが手に入れられる結末とでも言いましょうか、読むことに意義を見出せる作品かと。

 次に何が起きるのか、主人公の未来はどう変貌するのか、こういった展開について意識させる要素良作の基本ですが、意識させるといったって色々方法がありますよね。
 この作品は感情移入によってそれを成しています。

 

 共感というより、数奇な運命だね、といった面白さから入る感情移入ですね。

 

 他の作品との差別化は気にせずとも良いとはいえ、珍しい物語というのは常識が邪魔して書きにくいものですし、経験や技術も必要になり、簡単に書けるものではありません

 でも面白さは折り紙付き、つまりカクジツです。

 絶対的に読者を二分できます。
 物語が変だと評価する少数と、一目置ける作品だと評価する多数に選り分けられるタイプ。

 

 このテの作品は引きつけた読者を掴んで離しません、おまけに読者には続きの展開だけに飽き足らず作者への興味まで上り詰めさせるので、秘められた価値は莫大と言えましょう。

 

 話を作品の内容に戻します。
 いつもの通り残酷描写について語りますと、15歳未満では……という基準を信じるのは難しいですね。

 読む人によっては不快感があるなし分かれる程度の描写とでもいいましょうか。

 ただ体の部位が傷ついて残酷描写が入るので、そういったことが苦手な人には勧められませんね。

 そこそこ残酷といったところ。
 読み飛ばして読めるような内容ではないので気を付けて。

 

 でもって今度はキャラクターについて触れます、ヒロインが良いですね。
 今しばし見かけなかった戦士系のヒロインで、愛嬌もある。名前をフェイというのですが、主人公レントとは似合いのヒロインだと思いました。

 

 不安定で勇者気質な主人公と釣り合うキャラクターです。とても良いですね。

 重ねて作者さんイチオシのアイリスさんについて触れますと、主人公の物語をそばから傍観する立ち位置が奥深いキャラクターだと言えます。

 

 主人公たちがぶっ飛んでるともいう。

 このぶっ飛び方も含めて愛せる作品と言えるでしょう。