感想『ドジっ子ポーターは最強の支援職!?』を読んでの
題:ドジっ子ポーターは最強の支援職!?
作者:みぱぱ
ちょっとというかかなりドジだけど健気に頑張るお姉さん、というキャラクターがいいですね。
私欲を垂れ流している節もありますがまだ可愛らしく見えます。
良くも悪くも、裏表のない性格が素敵です。私の好みとは違いますけど。
豊満なドジっこお姉さんというキャラクターが好きな読者の方も割合としてはなかなかいるのではないでしょうか。私の好みとは違いますけど。
あくまで公平に感想を書いていく所存です、ええ。
物語の主人公はポーター、つまり荷物持ちを生業とする冒険者、エルシーです。
元は勇者のいるパーティに参加していたようですが、パーティ内でカーストを取ろうとした女性の策にまんまとはまり、パーティを離れることになってしまったようです。
そもそもドジでポンコツな主人公エルシーは知名度があったので、そんな彼女を知っていて迎えてくれる冒険者パーティはありません。
そこへ現れた初心者パーティへまんまと転がり込んだ主人公エルシー。
そのパーティの新米冒険者トリステンとその妹オルコットと共に波乱万丈な冒険を続ける物語が本作となっております。
なんていうのかな、微笑ましいというか、見えないのに眼福というかね。
一応危険や死と隣り合わせの世界観なのでしょうが、表現が柔らかいことで読んでいて幸せな雰囲気が伝わってくる作品です。
素敵な空気が漂ってきます。
それと稚拙な表現ではありますが、食事を美味しそうに取る描写があってよいですね。作風に丁度合っていて良いです。
適度にお腹も空いてくる感じ。
残りの世界観はRPGのビデオゲームでありそうなギルドやスキルだったりとさまざま。
説明はちょっと多いけど理解しきれなくもない量なので問題なし。
文章量は多くともサクサク読んで丁度良い時間を埋められる作品ですね。
Web小説らしい良さが出ていて、こういう雰囲気の作品は日の目を見なくなってきていますし、今ではなかなか出会えるもんじゃないです。
とここまで本作に倣いギャグっぽく、つまり面白おかしく感想を書きましたが、この作品には悪く言えばバカにできない要素が含まれています。
それは都合に導かれて書かれた作品では見られない"伏線を仕込んだキャラ設定"、そしていつかの異世界モノ小説を彷彿とさせる文化の違い、価値観の違いの描写といったものです。
立体に、奥への幅を効かせつつ読者の懐古心をくすぐる構図。お洒落な書き方です。
サクサク読めますし一話一話の面白さが引き立っている本作だとは言えど、テンプレとは少し外れた部分だと評価が追いつきにくい『小説家になろう』より趣味から作品に辿り着く人の多い『カクヨム』だとかが掲載するとしては良いかもと思います。
気軽に感想を残してくれる点からしてもお勧めしますよ。