感想『努力嫌いな俺のラブコメ』を読んでの
題:『努力嫌いな俺のラブコメ』
作者:魂夢
詩的な表現が多く、思わず「おっ」とさせられる作品でした。端的に言うとそう。
かといって読みにくい要素はほぼありませんし、意味が理解できない場合それだけを除けば、止まらずにサクサク読み進められる良い作品です。
というよりも詩的な表現自体が"ふんわりと真意を映す"ような意味を帯びている作品であるので、あっこんな感じなんだな、というふうにふんわり印象が残ります。
詳しく読めば作品の良さをさらに味わえますし、そうでなくても雰囲気の良さは掴める。
どんな層の読者にも合った書き方だと感じました。どのように書いたのか聞きたいくらいです。
と思っていたところで、作者さんの人となりが分かるフキダシが(前書きの内容 - 小説家になろう版に掲載)。
こういったユニークさも作品に現れていて素晴らしいと感じました。
起点の聞いた書き方と言いますか、新鮮な印象のある物語の転換点といいますか、常識にとらわれずに自由な作品として勝負している点が感じられて心地よかったです。
Web小説ならではの読みやすさに適した文章、気になる点を挟ませずに読み進ませる書き方です。
適切&効果的、これほどに配慮が感じ取れる作品だったとは読む前には予想すらしていませんでした。ライトノベル、というヤツですね。
ラブコメというジャンルもライトノベルで知られている作品にあって読んだことがあるので、別段理解に苦しむことなく読めました。
ちなみにここからは作品の内容についてになりますが、主人公の性格らしい"なるべく努力しない"に全力を尽くした点、他の登場人物との差別化がめっきり見えていて良いと思います。
少し憎たらしいところもキャラクターへの感情移入の糸口となってくれていて、こいつがいると安心できるようなキャラクターでした。
しっかり振り回される主人公にはらはらすることもしばしば。続きが気になる雰囲気と展開作りが上手くいっている証拠でしょうね、きっと。
ちょっと拗らせている感があるのは否めませんが、そこもまあ、愛嬌というか。良さですよ良さ。
どこまでもわいわいがちゃがちゃするよりは作品としてのこだわりを持てますからね。読者への配慮というものです。
そこからこの作品を気に入る人もいるのではないかと思います。
……というふうに良い点を並べてきたのですが、着目せず終わるべきでないのは設定の緻密さでしょうか。
登場人物の背景だけに凝っているだけとは思えない書き方です。
擦れたラブコメといえど、世界観や舞台に引き込ませる点は残しておいています。
実在する主人公が得た記憶をふいに思い出すところなんてよい例です。
学生時代のことを懐かしむ作品とも言えますし、読み手に特定の感情を抱かせる作品です。
なかなか巡り合えるものではないと感じました。
おわりに
……はい、以上になります。ありがとうございました。
ブログでは読みやすく改行を入れております。
しかし原文が綴り上げ無還元な状態ですので、読みにくかったと、感じさせてしまったかも。すいません。
これからも感想書きとして成長してゆきます。どうもありがとうございました。